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パートの大きな魅力

最新の医療技術や薬剤へのアクセスを容易にし、医療サービスの質を高めるのが、先進・成熟国の医療政策のあるべき方向である。 ところが、先述したように日本では混合医療が禁止されており、そうした選択の自由が基本的に満たされていない。
自由診療を一部でも組み合わせると保険適用が全面的に不可になるために、事実上自由診療を享受できない。 そのために、例えば最新の医療サービスを受けられないなどということが起きている。
最新医療へのアクセスを保険診療の範囲で可能にするために、厚生労働省では「高度先進医療」など特定の医療技術や医療方法について、いわゆるポジティブリストを規定している。 ポジティブリストは医療審議会や厚生労働省管轄下の担当審議会などが特定の技術や方法を個別に検討して決めているが、このようなやり方は適切でない。
本来は基本的なル−ルを定め、そのル−ルに適う医療技術や医療方法については自由に活用できるようにすべきである。 現状では、例えば特定の医療方法、医療技術についてこれは認める、これは認めないというそうではなく、ふうに書かれているが、これでは病院や患者など実際に利用する側からみて非常に使い難い。
一定の水準以上の医療機関が開発したものは認めるというようにすれば適用しやすいし、利用しやすくなる。 医療分野のーT化に伴い、二000年から二OO五年までに概ね一・二万人の雇用が創出されると見込まれる(二OO七年までなら一・八万人)。

なお、医師、看護師等については、人口の高齢化に伴い、二OOO年時点から二OO五年までに概ね一五万人の雇用が創出されると見込まれる。 拠は、二O一O年に病院の四O%、診療所の七O%に情報システムが普及したとした場合の情報システム技師や医療機関の医療情報担当者の新規雇用を推計したもので、厚生労働省による推計である。
雇用については、情報化による効率化でかえって人手が要らなくなり、スリム化する側面がある。 つまり情報化するとむしろ雇用が減る面もある。
同時に、効率化して節約された資源がよりきめ細かくより多様なサービスに振り向けられ、それがさらに多様で高度なサービスへの需要を生み出すという側面もある。 このような好循環がどのように展開するかによって、雇用創出の可能性は大きく異なってくる。
上記の厚生労働省の雇用予測は、好循環を生む後者の側面をほとんど考慮していないために、非常に控えめな推計になっている。 短期的にはともかく、構造変化を含んだ中長期を考えると、上記の予測は過少推計の恐れが強い。
要するに構造変化で余った資源が多様なサービスに振り向けられ、それが人々にこんなこともできるのだという実感をもたらし、さらに要求が高度化していくという好循環を踏まえると、もっと大きな雇用が生み出される可能性がある。 いくつか事例があるが、一つの有力な事例は亀田病院の例である。
亀田病院は千葉県の鴨川にある日本有数の先進的病院コンプレックスで、病院と診療所を核に健康保険組合や電子医療システムの開発会社や介護施設などを総合的に備えている。 これまで議論してきた医療情報活用の好例として説明しておこう。
亀田病院ではその過程を四つの時期に分けている。 第一期は一九九五年の電子カルテの導入137である。
全国でも先駆けだったため電子カルテについての理解がなく、医師やスタッフの間でも忙しくて仕事ができなくなるとか、不必要な情報が出回るのではないかとか、様々な反対があったが、導入した後は医師、患者ともに反応は良く、特に患者が大変好意的な反応を示したという。 システム、ダウンなど様々なトラブルはあったものの、その後順調に進んだ。
翌九六年が第二期で、電子カルテの導入を病院だけではなく関連の診療所にも広げ、両者の連携を進めた。 具体的には、千葉県の房総半島地域を中心に三つの病院と一一の診療所で電子カルテによる連携体制を確立した。
第三期は二OO一年で、共通のサーバーを持ちWEBを利用した病院と診療所の連携体制を構築した。 これは、地域の中核病院を核に診療所、介護施設などがインターネットを通じて連携し、病院内カルテ、診療所カルテ、介護施設のICカ−ドなどと並ぶ「共有カルテシステム」を構築し、署名・暗号等による個人情報保護のファイアーウォールを整えたトータルな情報連携システムである。
同システムの電子カルテ登録者は最近四O万人を超えたということである。 もう少し補うと、病院や診療所にはカルテが、介護施設にはカルテの代わりに誰がどういう状態でケアを受けているかを記録したーCカ−ドがあるが、それらのフォーマットを共通化し、互いに流通できる「共有カルテシステム」を構築したということである。

プライバシーくるというフアイヤーウォールを構築した。 これは経済産業省の支援に基づく実験である。
第四期は二OO二年で、今度は厚生労働省の支援で、亀田病院が「患者さま中心の医療情報を生涯にわたって地球上でどこでも継続して活用できるネットワークシステム」と呼んでいる。 守るために、構築した。
ちなみに亀田病院では、あくまで患者中心というコンセプトでということで、患者を「患者さま」と呼ぶようにしている。 これは、厚生労働省が「情報化にむけてのグランドデザイン」に基づいて全国三カ所で実証実験事業をしているうちの一つである。
その目的は、しっかりした認証システムによって個人の医療情報保護を確立した上で、インターネットを媒介にして、病院や診療所などの医療機関だけでなく、患者の自宅や公共施設でも使えるシステムを構築することである。 このシステムが整備されれば、自分の医療情報を、パソコンを持っている患者は自宅で、持っていない人も図書館や公民館や市役所へ行けばみることができるようになる。
先に、第三期に「共有カルテシステム」を構築したと述べたが、第四期には病院や診療所の電子カルテに患者の参加カルテを加えることによって、医療機関と患者が電子カルテ情報を基にある種のやりとりができる、そのようなシステムが考えられている。 このシステムは実証実験段階のもので、現在パソコンを持つ約二000人の患者が参加している。

おそらくこれは日本ではもちろん、世界でも最も進んでいるシステムではないか。 日本は世界有数の長寿国であり、平均寿命は女性が八五歳、男性が七八歳と高い。
平均寿命の最後の頃、亡くなる前の数年間は、実はかなりの人が寝たきりになったりしている。 人の世話にならないで暮らせる年齢までの寿命を「健康寿命」と言うが、それは日本の場合、平均寿命より五〜七年短い。
女性は八O歳ぐらいから、男性は七三歳くらいから様々な問題が起きてきて、かなりの人が人の世話にならないと生きていけなくなる。 従って、健康寿命をできるだけ伸ばして平均寿命に近づけていくことが、平均寿命を伸ばすこと以上に重要である。
健康寿命が伸びることは、人の世話にならないで生きていける期聞が長くなるわけだから、本人にとってはもちろん快適であり、自由であり、満足度が高いが、社会にとっても活力が高まるし、経済的にも負担が少なくなる。 例えば医療費が減るだろうし、高齢者が亡くなる直前まで社会で活動するわけだから、それなりの経済的貢献も期待される。
健康寿命を伸ばしていくことがいわゆる「健康づくり」だ。

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